ねこちゃんって「笑う」のか?

ねこのホントの気持ちは顔だけではありません。

昨今、空前のネコブームと言われています。
しかし、ネコの生活や行動パターンについては、意外と知られていないことが多いようです。

人間や犬の行動を基準にして考えると、まったく違う解釈になることも少なくありません。
ネコを長く飼っているから、ネコの性格や習性についてよく知っていると思っていても、実は誤解しているケースが結構あるのです。

そこで今回は、ネコと暮らす中で目の当たりにする行動や習性についての専門的な研究をもとに、ネコの真実に迫ってみたいと思います。

ある時、インターネット上にネコの笑顔の写真が掲載され、話題になったことがありました。
ネコがこんなふうに幸せそうに笑うことがあるのか、そもそもネコには表情筋がないから笑わずに無表情なのではないか、などと話題になりました。
結局、画像は加工されていて、ネコは本当には笑っていなかったようですが、実際にネコは笑っているのでしょうか?

ネコには顔の筋肉がない、というともっともらしいですが、そんなことは全くありません。
ネコにも顔に筋肉があるので、いろいろな「表情」を見せることができるのです。

ただし、ネコの場合、顔だけで気持ちを表現しているわけではありません。
ネコに限らず多くの動物は、ボディランゲージ、つまり体のいろいろな部分を使って気持ちを表現します。

ネコの場合は、尻尾を上げたり下げたり、振ったり、体に巻き付けたりして気持ちを表現することがあります。
また、耳をピクピクさせることも表現のひとつです。
例えば、音が聞こえると、耳の角度を変えてよく聞こえるようにすることがありますが、それと同時に「ん? 何だろう?と思うと同時に、耳の動きには「それが何かを知りたい」という気持ちが表れています。

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大好きな飼い主さんに体をこすりつけるのも感情表現の一つですし、背中の毛を翻すのも恐怖心の表れで、これも感情表現の一つです。
また、甘い声で鳴いたり、威嚇するようにうなったりすることもありますが、これも感情表現のひとつです。

「表情」が主に顔による感情表現に限られている人間に対して、ネコは体の様々な部分を使って感情を表現しており、それがネコの「ボディランゲージ」であり、顔を含めた「表情」を構成していると言えます。
ネコは耳や尻尾、ヒゲなど、人間が使わない、あるいは持っていないさまざまな体の部位を使ってコミュニケーションをとり、「顔の表情」を作っているのです。
そして、顔はその一部分に過ぎないのです。

ネコも顔で何かを伝えているの?

私たちは、自分の気持ちを表現するために表情を使うだけでなく、相手にアピールするためにも表情を使います。
目で訴える」という慣用句がありますが、これはわざと困った顔や驚いた顔を相手に向けることです。
これは演技でもありますが、自分の気持ちを相手に伝える手段として表情を使っているということです。

しかし、動物の場合は、相手にアピールするために表情を作るのではなく、自然に自分の気持ちを表現しているようです。
ですから、ネコは「目を使う」「目を合わせる」「口を尖らせる」などの行為はしません。
撫でられて気持ちよければ、うっとりとした表情をしますし、怖いと感じれば、背中の毛が逆立ち、眉をひそめます。
あくまでも自然な気持ちの表現であり、相手に向けて表現しているわけではありません。

しかし、ネコが自分の表情でコミュニケーションをとっていることは間違いありません。
ただ、人間とはコミュニケーションの方法が違うので、人間と同じように表情によるコミュニケーションの方法を当てはめることはできないのです。

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